大きく分けて2種類の作り方が有り、1つは大型向けで使う材料も製品に伴い太く、使う線自体の持つ反発力が非常に大きくそのままでは、コイリングが大変に難しく使用材を真っ赤な高温状態に熱して成形、これが熱間成形と呼ばれる加工法で大型品向けゆえに設備もそれなりに必要。もう1つは対義語でこう呼ばれるようになったと思われますが特に冷たい環境状態や材料を冷やす訳でなく極普通の常温の環境状態での作り方を冷間成形と呼び主に中小型の製作方法、このページは冷間による各種バネの作り方とおもに使われる機械を掲載しています。
線材自体の持つ弾性が大きくとは、ばね材は線の状態ですでに弾性があり反発します、特に線の太さがおよそ15mmを越す物は反発力も相当に強いということです、板材についても同様のことが言えます。一般に針金と呼んでいる物は反発もほとんどなくどの様な形状にも簡単にできますが、針金ではすぐれた反発力のバネにはなりません。
圧縮ばね
コイリング―(脱脂)―(1)―(切断)―(端面研削)―(修正)―(ショットピーニング)―(1)―(セッチング)―(2)
引張ばね
コイリング―(1)―(切断)―両端のフック製作―(修正)―(1)―(セッチング)―(2)
トーションスプリング
コイリング―(1)―(アームの端末曲げ等)―(修正)―(1)―(2)
上記の工程(1)には低温焼鈍(ていおんしょうとん)、(2)には防錆剤添付かメッキ等表面処理が入る。
( )は使う材質や種類によっては行わず、特に省くことが出来る工程が多い場合は効率が高く安価で大量生産が可能となる。量産はほとんど上記紹介の機械を使うが試作、少量の時はエンドグラインダーは使わずに卓上グラインダーを使い手作業で行う事もある。
低温焼鈍(ていおんしょうとん)とは成形後の残留ひずみを取り、弾性限、疲労強度を安定化させる為に専用の電気炉で行うもので一般に熱処理やテンパー処理と呼んでいる。専門のページに詳しく解説してありますが、例えばコイル径が10mmの指定時にはじめからコイリングで10mmには巻きません、材料によってこの処理を施すと径が広くなったり反対に細くなってゆく方向に変化、トーション型はアーム角度が変化するためにそれらの変化の量を見込んでコイリングします。
防錆剤添付か表面処理とは、ピアノ(硬鋼)線を利用した際にそのままでは錆が発生してしまい錆止め剤(オイル、グリス等)の添付かその様な物が不可環境で使用の際はメッキ等の表面処理を行うという事、ステンレス材はほとんどサビの発生は無くこれは通常行わないが100%サビの発生が無い訳でなく錆びに強い、錆にくい材質でステンレス利用であってもメッキ等の表面処理を稀に施すこともある。
ショットピーニングとは無数の鋼球(ショット)を毎秒数十メートルの高速で衝撃的にぶつける(ピーニング)工程でこれにより耐疲労性が著しく向上する。
セッチングとは降伏荷重より大きい強度を加え若干の塑性変形を生ませ弾性限を上昇し疲れに対しての増強と疲れ変形の減少を見込むというもの、少し難しい説明ですが、簡単に解説すると最大荷重が掛けられる長サ、高サより大きい力を一旦掛けてしまうという事です、そうすると通常はその手前で作動するので変形が起こりにくくなります。
端面の研削は両端末部を削り傾きを無くすことと接地部を面にして安定させる事、 研削と座 参照。フック、アーム、座の端末形状と種類は 端末形状に詳しく掲載。
上記は一般的バネを加工する方法と使われる主な機械の説明で注文を受けた場合の納入までの他の工程としては、先ず各種共通の最初の段階の前に当然材質とその径の選択と確認があり上記工程を経て成形、更に完成品に対しては、数量の確認や各寸法、特性(定数、荷重)の検査を専用試験機や目視、ノギス、マイクロメータ等の測定器具により行い指定の JIS許容差による合格判定のスプリングが注文先様に納入となる。
必要数が少数で専門会社に特注の依頼はせずに自身で作りたいとの問い合わせがありますがこの件については質問とこたえに掲載。
他のスプリング専門用語
定数 平均径と指数 たわみ
自由長、密着高 巻数 巻方向 特性 荷重 分類
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