スプリングの巻き方向

direction of helix

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専門用語解説 専門用語簡単解説


コイルばねは右が時計回り、左が反時計回りで巻き方向を確認 日本では指定無しや任意で良い時は右で製造される


時計回りか反時計回りかで決定

端末(巻き始め)を起点として時計回りに巻かれるのは右、逆回転ならば左となります、種類別には引きバネの巻き方向を指定する事はあまり無く、ほとんどが右仕様です、外国製特にアメリカ製に左が多い様ですがそれを変更しても特に問題は無いと思いますが但し、端末部のフックを製作する際に向きや形状、巻数の関係から左でないといけないことも有ります。押しバネの巻き方向も指定なしや任意で良い場合が多いですし、ワッシャーを1枚噛ませて置けばよいのですが、例えば、バネの内径に入るシャフト(案内棒)の変わりをボルト、ねじなどにして直接バネを取り付けて締め込んでゆくようなところに使用すると圧縮する他にコイル径が開く方へも力がかかってしまい結果変形してしまうことが有ります、そのような場合には逆の左巻の仕様に変更する事で変形を起こさないで済みます。自由(任意)または、指示なしの場合、通常日本では右で製作になるので左の指定や見本品(サンプル)があってどうしてもその通りの製作が希望であればその指示を出します。立たせて上から見て時計回りか反時計回りかでの判断が正確ですが、線の細い材料で密着でコイリングされると判断が難しいかもしれませんが、太い線で立たせた状態でコイル形状が斜め右上がりは右、斜め左上がりは左と解釈(判断)も間違いでありません。

バネの巻方向/写真で確認

下の写真は分かりやすいように2つ共全く同寸法品です、端末から矢印に向かってコイリングされており、時計まわりか逆まわりかの確認をしてみてください。参考までに全くの同寸法の左と右巻では、ばね定数は同じです。
ばねの巻方向 圧縮

トーションスプリング、ねじりばね/巻き方向

この種類も確認方法は上記と同じで、時計回りと逆回転で判断することは他と同様ですが、特にこの種類のバネにとって方向は大変に重要です。この種類はコイル部からアーム(腕)と呼ばれる線が出て荷重はそれに掛けられます、この点が引張り、圧縮のようにまっすぐ(直線的に)に力を受けるのと違いねじる方の角度へ力が加えられます、これが最大の特徴であり使用方法になります、開く方への荷重は少しだけの変化量では作動しますが変化量が大きいとコイル径が変形してしまう為、通常の使用方法とはしません、設計の際には巻き込む方への荷重にほとんどします、その際内径が減少することがあるのでシャフト(案内棒)の直径は、コイル内径の90%程度の選択をするのが一般的です。コイル部からの腕の出方が異なり間違えると荷重がかけられなくなる事があって確認と指定は重要な要因です。各種類のフォーマットを利用した製図の場合が多く他種は指定が無いと右となりますがこの種類は、図面ではっきりしていても要目(文字)として無い場合は製作者は確認しておい方が良いと思いますし図面に決まったフォーマットを利用してることもあって”図面どうりですか?”と確認はしておいた方がトラブルを避ける為にも良いでしょう。

巻方向を写真で確認

下の写真で、1が左、2が右、3が右、4が左です。
バネの巻方向
上の写真はそれ程コイル数が多くはありませんが、多くなればなるほどに腕の出る位地が著しく変わってゆき間違えてしまうと荷重が掛けられなくなる形状になってしまう事が分かると思います、設計の際は十分に考慮してください。この種類にはダブルトーションスプリングがあってこれは同形状(稀に異形状もあり)の右、左巻が1つに合体成形された形状で2倍の高荷重を発揮するタイプです、製作の工程が多くなり少し高価になりますがメリットもあり左右1個ずつ使用している箇所には導入の検討も良いと思います。写真の1と2、3と4は方向違いの同仕様です、これを1つにつなぎ合せたのが ダブルトーションバネです。画像も掲載。


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