スプリングの長さ

free height/free length

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専門用語解説 専門用語簡単解説


引きバネのフックも含めた長さが自由長 押しバネの密着高さは座の研削の有無で異なる


無荷重時の全長

全く力のかかって無い無荷重状態時のバネの長さ(全長)の事を、押しバネは高さ又は自由高さと言います。引きバネは自由長(じゆうちょう)と特に呼んでいます、通常両端にフックが成形されます。自由長とは、一方のフックからもう一方の間の内側の寸法の値で密着で巻かれるコイル部だけと間違われてる方も多くいるようですが引きバネはフックも含めその内寸の値の事、両端末に加工されるフックは荷重を受ける手段として付くものでこれには様々な形状が有り、コイル部と同じ又は違う寸法のものが取り付けられることもあってロング形状が取付いた場合巻部だけと実際の自由長にかなりの違いが出てしまうので間違えないようにしてください。 成形後実際に測定する場合はフック間の外寸を計り、その値−(線径×2)で求めます。材料が太い時はノギスなどで内寸をダイレクトに計ることもあります。下図のそれぞれLの寸法数値。
スプリングのながさ  L=長サ、自由長


密着高さとは

solid height/solid length

荷重がかかり圧縮してゆき、線どうしがすべて接触状態の時を押しバネの密着高さといいます。専門用語の解説の「巻き数」で密着部を線径で割れば求められると記載しています、従って例えば線径が1.0mmで巻き数が20巻あると1.0×20で20mmと単純に計算で算出できるが成形された形状は以下の要因などによって完全に接触状態にすることが困難であり測定上誤差が生じてしまい計算上と実際は異なります。

  1. 許容差による影響
  2. ピッチ角による影響
  3. コイル両端部分による影響
  4. コイリングの際の材料のつぶれによる影響

計算式  Nt=総巻数 d=ばねの線径

コイル両端末部が研削なしの場合、求め方は、
(Nt+1)×d  上の例では、(20+1)×1.0=21mm
d=0.8mm、Nt=15の場合は(15+1)×0.8=12.8mm
つまり単純計算に線径1本分プラスした値

コイル両端末部に研削を行った場合は、単純計算で求める事ができ
Nt×d 上の例では、 20×1.0=20mm
d=0.8mm、Nt=15の場合は15×0.8=12.0mm

座巻き部の研削処理有りと無しで全くばねの全長が同じの場合行ってる方が密着高サを低くでき従って圧縮量が少しだけ(微量、d約1本分)増加することになります。 物理的には密着長までが可能な範囲ですが、巻数やピッチによっては全長の減少をおこしてしまうことがあります、巻数が多く柔軟であれば密着まで又はかなりの量を圧縮しても問題無い事もありますが、通常は、自由高さ−密着高の80%以内で使用する事が良い使い方です、従って設計する際もこの適切な圧縮量を考慮して行う事が重要。
押しばね密着長
特に指定が必要な時は、適当な許容値を加えて最大値のみを指定、一般的に用いられる最大値は
Nt × d max d maxはdの許容差の最大値をとった値ですが、ばねの線径と巻数、研削の有無で決定してしまうことでこれに公差を付けての指定は通常しません又指定の必要もありません、重要なのは密着高から全たわみ量の80%の適切な圧縮長を設計者が確認することです。


バネの展開長とは

主に見本や図面の仕様から一個の材料を1本に展開したながさを求める際に使う用語。使う材料何ミリで1個製造できるかという事。計算ではπ(3.14)×D(コイル径)×巻き数で求め引きばねはフックも含めます。この展開長で1個の材料費を求めることも可能ですが通常は材料費は重さを測り算出します。


他のスプリング専門用語
定数 コイル平均と指数 たわみ  巻数 巻き方向 特性 荷重 製造方法 種類/分類
ピッチ 熱/テンパー処理 初張力  座屈現象 材料 測定器具  研削と座 許容差JIS
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