高い耐久評価を得る為に

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優秀なバネ設計/考慮すべき事項

材質、種類が決定した後、具体的にバネを設計する際に考慮すべき4項目。各種類にすべてが当てはまることはありませんが、該当の場合、特に1と2は、基本計算式の成立の条件にもなる重要事項、耐久を重視するときには全4項目の内で満たしてない項目があると耐久評価が非常に低いあるいは耐久の見込みすら出ずの場合も有ります。但し4はどうしてもこの範囲にならずの時には使う際に変形にならないような対処法を取るようにします、これに関しては座屈現象に詳しく解説。

ここでは冷間成形(中小型品)についてで材料がおよそ15mmを超す大型品は製造方法が異なる為、熱間成形取扱い会社の文献を参照下さい。計算で求めた各寸法により製作しても必ずしも計算値=実測値とは成らず、寸法重視は1級〜の許容差を指定し強サ重視は変更可能又は参考にして良い箇所(全長、巻数等)を指定し±%の公差を付け指示を出す、現代の技術力なら公差は一切なしでも良いと思う方がいるかもしれませんが同一の計測器や同一の計測箇所でのチェックが必要で実際は非常に難しく公差の指定は必要、公差無しでないと使えなければそうするよりありませんが実際は多かれ少なかれ使用可能範囲があるものです。以下の4項目をクリアーし製作され満足行く使用が出来れば1つの目安または参考になりますが高い耐久の見込み評価がでるでしょう、1000万回見込みの耐久評価がでるとこれは半永久的に使用可能と言って良い程の優秀な設計のバネとなります。

  1. ばね指数(コイルの平均径D/線径d)は4〜22
  2. ピッチはDの1/2以下
  3. 有効は3巻以上
  4. 全長とDの比(L/D)は0.8〜4
  1. 成形難易度の目安で丁度中心程度がベスト、4〜22の範囲外であっても製造可能ですが両極端に近いと破損やコイル径のバラツキ等更に考慮事項 が発生してしまう事も、又両端末を研削処理を施すかの判断にもなる。指数が4以下は破損原因にもなります、是非守って下さい。
  2. ピッチが広すぎると全長の減少を起こす可能性が大、荷重時に有効巻が膨らんでしまうことも
  3. 特性が不安定になり3以上に
  4. たわみ量が非常に多い細長い押しバネに起こる座屈(変形)現象を防ぐ範囲

ポイント

常識的な考え方で例えば引張って使うことに詰まってしまったら押す形態で同じにできないかと考えてみて下さい、これはバネの種類を問わず設計の際のポイントで、もしかするとねじって上へあるいは下へ力を加える作動のトーションバネ(ねじりばね)の選択が最も良い事もあるかもしれません、力の掛け方が違っても同じ様にできる場合があり、例えば、ホッチキスの芯送りの機構を例にしてみると下から押し上げる機構と上から引き上げる機構と2通りの考え方ができ実際にどちらも存在機種があります。


スプリング、バネ設計の各種類別ポイント

圧縮(押し)バネ

設計は比較的しやすく計算値と実測値が近似になる種類。圧縮 → もどるが使用形態で 多種多様の製品に取り付いており、全種スプリング中で生産性が高く用途も最も多く電機、自動車、オートバイ、自転車、おもちゃ、はかり、光学機器など必ずと言っても良いほどに取り付いており日常お使いの製品を分解してみると必ず数個以上は取り付いているはずで用途例が豊富です。ばね製造会社の主力品で、大型は、材料が10ミリをはるかに超すものから小型は、0.1ミリ以下の針先程度の極小(極細)まで多種存在し、機械での生産性が高い

圧縮量を密着までとする事はよくありません、密着までを100%としてその80%以内での使用が適切で越す程又は密着までの圧縮もピッチ過大と同様に全長の減少を起こす場合があるので80%以内を条件としましょう。巻方向は指定なしや任意のとき、右になるがシャフト(案内棒)の変わりをボルトやネジにして直接内径にセットして圧縮してゆくと押し方向と共に径が開く向きへも力がかかって変形状態に成る事があり、そういう場合は左巻に変更かボルトやネジの間にワッシャーを噛ませてみると良くなります。


引張(引き)バネ

成形後の実測荷重と計算荷重が異なる結果の時には先ず初張力のチェックをしてみてください、他の寸法が問題無く製作されていればこの初張力が要因の場合がほとんど。コイルは通常密着でチカラをかける手段として両端末にフックが付き、引張→もどるが使用形態で、フックの形は両端末の一巻きをねじり起こす逆マルのタイプが一般的で加工も簡単、従って安価、但し取り付け状態に合わせて多種形状が存在。材料が10ミリを越す大型から0.1ミリ以下の極小まで多種存在。

身の回りの用途例でぬいぐるみや人形を付けたものでアクセサリーとして見た事があるでしょう、他には家電製品、自転車、オートバイのスタンド、サッシ等、非常に広い用途に使われており、又よく依頼が多いのがネームプレート用ばねで特に樹木のネームプレート設置用、フックが中心になく片側に寄る形でネームプレートと樹木がうまく取り付く。糸電話という簡単に工作できる遊びがあって、糸の変わりを引きバネにするとおもしろい音の伝わり方になる。→ バネ電話

たわみは少量の方が耐久性考慮の使用法で、最大たわみ量についての考慮も重要、強いバネは問題なく引張ができる幅は少なく短い、反対に弱いものは大きく長い。材料費等色々な条件は有るかもしれませんが、自由長を短くして長く引張使い方はどうしても以外はやめましょう。

フック部やその付け根付近で破損してしまうのは1.形状が逆マルフックの場合と2.D/dが小さいとよく起こる現象で1は、逆マル形状をそうでない形に変更で2は値が4に近いときば線の太さをUPして巻き径を広げ指数を4より大きくする対処法を取るか、適切な別のフックの種類を考える、ばね指数c=4に近い値になった時は逆丸でなく丸かU字タイプにはじめから設定しておいた方が良い。


トーションバネ(ねじりばね、キックバネ)

ねじる→戻るという作動形態でその用途は女性が利用する髪留め用、洗濯バサミ、ドアノブ、郵便受け(ポスト)、様々な製品のふたや自動車、オートバイ、自転車など使用例は豊富で当社の通販品ABUのリール用スプリングも同種類です。

密着又はピッチで巻かれそこから出るアームに力を掛け、他のように直線的に強さが加わるので無くねじる荷重でこれが大きな特徴、髪留め用、洗濯バサミを見ると使い方がよくわかるでしょう従ってたわみはmmではなくねじり角度。 アームが長すぎると巻部が機能せずにアームだけに力がかかってしまい、特に先端付近にかけるときは注意、アームだけに力がかかりコイル部の付け根付近で破損することが多々ある。内径に入るシャフトの選定は、最大使用時の内径の90%程度がシャフト(案内棒)の外寸の目安。巻方向の指定が重要で、図面での依頼の際に仕様(要目)に記載の無い時には要確認。通常、力は巻込む方にかけるのが一般敵で、少しなら開く方に力をかけても戻りますがストロークが多い(長い)と変形してしまいトーションバネ(ねじりばね)の荷重の基本は巻込み方向にします。

同仕様の左右巻きを1個ずつを近い場所で使う時や高荷重が必要の箇所には合体型ダブルトーションを考えてみるのも良いでしょう、高トルクの為に広い面の開閉部によく使われ、又当然ですが部品点数が半分になり、場合によっては案内棒を使わず使用することも可能です。この合体型でなくてはというときは別ですがこの種は少し製造価格が高くなる為、生産性の向上を取るかコストを取るかで数量等の要因で選択が難しいかもしれませんがよく考慮して判断してください。


密着ばね

他と比べ特に難しくなく長さやコイル径は目的に合わせ決めれば良く、巻方向は任意か指定無しでよいでしょう。材料が太くコイル径が細いと固く、材料を細くコイルを広くすれば柔軟になります。形状は丁度、引きばねの両端末のフックが無い形で用途は以外に多く有り、使用例として最も多いのは配線のカバーで配線に合わせて柔軟に動きかつ保護ができ特に野外や室内でも人の居ないところでのねずみ等の害からの保護に金属製の為向いています。他には1〜2巻きをカットしてリングの製作が可能。少なければ巻数を、多い時には長さを指定する。

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