荷重変化量 たわみの解説

spring deflection

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専門用語解説 用語簡単解説


たわみとは圧縮、引張る、ねじる等の力をバネに加える時の変化の量又は角度 記号=δ


専門書から抜粋すると

上記の説明は少し難しいですが、コイル状のスプリングに関して簡単に言うとバネのたわみとは、荷重方向への変化の量のことでどの位圧縮か、どの位引張るか、どの位ねじるか(押す、引張る、ねじる)の力をバネに加える時の変化の値、ねじる場合はねじり角度と言う方が正確です、設計(計算)記号はδ。ぜんまいは巻き数、回転数が該当。例えば20ミリ圧縮して使用するのなら20ミリが、15ミリ引張っるのなら15ミリが、50度ねじるのなら50度がδとなります。疲労を防ぎ長期間に渡り安定作動を保つ為には適切な範囲内で作動させることが重要です。


適切な値

押しばねは、下の写真のように密着高までが変化可能な全範囲だがその80%以内で使うのが望ましく、計算では以下のように求められる。
δの最大範囲=自由高−密着高、これの80%したがってδ×80%で求める、これが適切なδの計算値
可能最大量

例題

材料径0.6、コイル外寸10、総巻数12、L=27の両端研削処理なしを例にしてδを求める。
上の式よりδの最大範囲は27−7.8=19.2、これの80%、19.2×0.8=15.36mm以内で作動することが望ましい。27-15.36=11.64mmとなってこの高サまでが適切なδの最大の値となる。
この場合、密着高は(材料の太サ=d×12巻)+1巻=7.8 端末研削処理をしてる時はd×12巻=7.2となります。


考慮すること

押しバネ

巻き数が多いばねは、ほぼ密着状態となるまで作動をしても問題なく使えることも有ります、但し巻き数の少ないものは全長の減少をおこしてしまう事も多々あって、又耐久性等を考慮して通常全たわみの80%以内での使用が望ましいとされています。

引きバネ

コイル部分(密着部)の長サを超えない方が良いとされていますが指数が大きいものは2倍までが一般的な目安となっていますが、指数(D/d)が大きい数値は引ける量も長く2倍をはるかに越すほどでも十分に可能ですが、小さい値のものは短く、2倍程度であっても不可になる事も有ります。1つの目安として取り付け状態時の端末にあるフックの位置が、後に取り付け前の位置とずれているとすでにそれは伸ばしすぎの状態で、それを更に伸ばして使うとコイル部が開いて隙間が出てしまって作動不可になってしまいます、もちろん取り外してコイル部に隙間が開いてしまっているのはもはや引張りすぎ。短く製作して長く引いて使うよりは耐久性を考え引く長さは短くする方がよいと思います。


設計

δの大小については作動範囲の問題や材料費の関係もあり、又はどうしても荷重変化の大きいバネが必要な場合も有り難しくなってしまうかもしれません。材質によってはかなり稼げる優れる製品もあるがまだ一般的でありません、バネを設計する際は当然ながら総合的にしなければなりませんが、たわみだけを考慮し簡単に言うと、密着やその付近までの使い方はしない、短いばねを長く伸ばす様にはしない、ねじり角度は少なく巻き込む方向へという事が挙げられるが、以外とこれらの事柄を考慮せず、例えばピッチ過大(巻数不足)で更に80%を超えたδ、材料費を優先してしまい短いものを長くという設計をする事があってどうしても避けられない時を除いてはなるべくδは少なくと考慮しての設計が耐久も含めて良いでしょう。


具体例

1.SWP、d=1.0、D=7.0、総巻10、有効8、長さ20 δ=8mmという使い方をするバネが有り、このときの適切な値は計算で7.2mmですがそれをオーバーしてしまう8mmで使う、そのときのPは28.5N d=線径 D=コイル平均径
2.材質は1と同じ、d=1.1、D=6.9、総巻10、有効8、長さ20 これはδ=5.2〜5.3ミリで1とほぼ同じ28.5Nの力がでる。
1と2の2つのバネはほとんど見た目では同じに見えるがたわみだけで言えば2の方が良いでしょう。もちろん5.2〜5.3ミリの圧縮は不可であるかもしれませんがもし問題なければ2の方が良いと言えます、80%以上の変化量の時は別の仕様を考えて見ると著しい変更を加えずに全く問題の無い良い設計のばねになる場合もあります。


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