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専門用語解説 専門用語簡単解説
一般によく使用するバネの材質にピアノ線、硬鋼線、ステンレスがあり、この3種類はらせん状のコイルばね製作用の材料として一般的に大変に多く使われる材質です、従ってこれら3種類の丸線材を選び中心に解説をしております、通常の冷間成形による製造方法に利用するもので材料の太さが15mmを超す大型ばね製造の熱間成形法に用いるものは最下部に紹介だけしています又樹脂、角材の内容掲載はありません。
以下より、文中では各材質を次のように記します
当社の取り扱い材質と線径はこちらへ
冷間、熱間成形方法については製造方法をご参照下さい。
バネの材料は弾性を最大利用する為にこれが高いほど優れる事になり、目安となるのが弾性限と呼ばれる性質でこれは「力を加え変形、その後に力を取り除くと変形が残らずに元の形状に戻る最大の力」に相当し、材料の引張り強さと一定の関係となり材質選択の一つの目安となります、但し特徴が個々に異なりこれだけで判断してしまわず使用環境などを十分に考慮して選ぶのが大事で、同寸法において高い荷重のみを求めるのであれば参考にして選んでもかまいません。少し極端な例ですが、高荷重だけを求める事で選択すれば3種の中からは次の引張り強さ記載の数値より分かるとうりSWPが選ばれます、但し使用場所が戸外で錆び対策なしや表面処理なしのままで使うのであればこの選択だとサビが発生してしまい早期に破損してしまうでしょう。材料選択は非常に重要な事柄で以下の各種特徴や用途などを十分に考慮して、予算等もあるでしょうが単純に安い、強い力が出るという判断でなく総合的に出来れば細かく耐熱、耐寒、耐食、磁性、弾性限、対疲労性、電気伝導、熱膨張などを考慮して決めるのが良いですが、すべてでなくとも例えば非常に高温状態、低温状態、水分がかかる、オイル等の添付はだめ 、使用場所が屋外、屋内、ある一定間の作動回数という使用環境を含めて安定作動が長期間に渡り得る事ができるつまり耐久の優れるバネが製作出来る様に選びましょう。
上記の「1力を加え変形、2その後に力を取り除いた時に3変形が残らずに元の形状に戻る4最大の力」について、ばねとは機械的要素と定義されていますが分かりやすく、弓矢を例にとり説明してみると
0.5、1.0、1.5、2.0(mm)の線径を例に選び引張り強さの範囲を掲載。単位はkgf/mm2
この値は荷重を求める基本計算には使いませんが耐久見込みを求めるときには重要視する要因となります。
SWPーA種 | SWCーA種 | SUS304-WPA |
0.5 235〜260 | 0.5 165〜195 | 0.5 160〜185 |
1.0 210〜230 | 1.0 150〜175 | 1.0 150〜175 |
1.5 195〜215 | 1.5 135〜160 | 1.5 135〜160 |
2.0 185〜205 | 2.0 130〜150 | 2.0 135〜160 |
SWP B種 | SWC B種 | SUS304-WPB |
0.5 260〜285 | 0.5 195〜225 | 0.5 200〜225 |
1.0 230〜250 | 1.0 175〜200 | 1.0 190〜215 |
1.5 215〜235 | 1.5 160〜185 | 1.5 170〜195 |
2.0 205〜225 | 2.0 150〜175 | 2.0 170〜195 |
SWPとSWCは共に似た性質で錆びやすいマイナス面の特徴があって、成形後に防錆剤添付かメッキ等を成形後に施します。製造工程のほぼ最終段階に熱処理をする為その時点では、ばねの表面は渇ききっています、特に梅雨時、成形後に何もしてない状態では数日程度で錆が発生してしまう事も有ります。SUSは、錆びにくいと同時に高温度での耐熱が大きく、耐食性にすぐれ又通常は表面処理を行わずメッキ公害の観点から普及してきたばねの材質(下記で名称のみ紹介しているインコネルは更に耐熱にすぐれる、高温度の環境場所で使う)で、普及と言っても、もう何十年も前の話で現在は環境問題も更に問題視になり一般によく使われていて当社の25年程前のステンレス バネ材での製作品は現在でも発生は全く有りませんが、前の2種に比べると高価になります。ステンが錆び、レスが無いという事でステンレスと呼んでいますが稀に錆びる場合が有り正確には非常に錆びにくい、非常に錆に強いと言うのが正解の様です。
作動温度は各種類によりSWPとSWCが100〜140度、SUSが260〜310度、上記紹介のインコネルは耐熱に優れ400度以上600度くらいまでが製作バネの作動温度の範囲。
耐食、耐酸にはハステロイがありますがインコネル、ハステロイ共に大変に高額品です。
… | ピアノ線 | ステンレス材 |
---|---|---|
導電率 | ○ | x |
耐熱性 | x | ◎ |
耐食性 | x | ◎ |
引張り強度 | ◎ | ○ |
弾性係数 | ◎ | ○ |
購入値段は材質と線径により変わりますが順位は0.25mm以上はSUS、SWP、SWCの順で、0.25mm以下は1位と2位が逆転します。これは一般的なことで会社によっては仕入れの量等で順位が変わってしまうかもしれません、前にも述べたようにバネの材料選びは価格のみによって決定するものではなく総合で判断して決定すべきで、分からない時はよく製作者と相談して選択するようにしてください。例えば、SUSとSWPで迷った時、強サと金額では後者ですがトータルでは高価(要因は数量と表面処理の有無)になってしまうことも有ります。
それぞれのバネの材料には横弾性係数(設計記号=G)という弾性限度内のせん断応力とせん断ひずみとの比がありこれは固有の値(計算の際にも利用、同じ値もある)があって、この差により荷重に変わりがでます。SWPとSWCは全くの同寸法で製作されると、Gの値が同じなので同じ荷重となるが、耐へたり、耐久性でSWPの方が優れる事になります、例えば、全く同寸法バネが4個あり材質がそれぞれSWP、SWC、SUS、PBW(リン青銅)である時、バネの強サはGの値順(同じ値は引張り強度の差)です。ここで言う強サは個々の荷重であってばねの耐久性が優れる(劣る)意味でありません、耐久に関しては殆どの場合設計が重要な要因です、特に問題点など無い優秀な設計によって製作したスプリング、ばねの耐久性は優れているものです。
kgf/mm2 | N/mm2 |
SWC 8000 | SWC 78500 |
SWP 8000 | SWP 78500 |
SUS 7000 | SUS 69500 |
PBW 4500 | PBW 42000 |
例えば、ばねに強度を与えるショットピーニングや押しばねの両端末に行う研削も表面処理に該当ですが、製作バネに利用材料が影響することについて説明しておきます。先ずはバネの錆び対策としての処理で極簡単な方法としては、防錆剤、グリス、油等を添付して錆びの発生を防ぐ方法で簡単かつ安価、但し環境が限られること、その油系によっては悪い影響を及ぼすいわゆるケミカルアタックと呼ばれる状況を作ってしまう可能性もある(一般的な機械油、グリス、錆止め剤はほとんど悪影響はないでしょう)。但し油系の付着が不可な場所や作動状態時に油系が飛び散るのは不可な環境で使用のバネにはニッケルメッキ、三価クロメート、クロムメッキ等を行う、この3種は美観にも優れよく行う表面処理です。他には組み込み作業時に間違わないように色を付ける黒色ニッケルメッキや電着塗装がある。SWC材にニッケルメッキが施されて、販売価格が安価で成形後に不要でコスト面で有利で便利に使える製品も市販しています、当社で販売のバネ電話用の材質はこれです。 ここで紹介の表面処理の種類以外にも多くあり、製造者とよく相談の上適切なものを行って下さい。
他は名称のみ紹介、SUPは現在日本で販売がもうない種類も、購入の際は確認をしてください。
銅合金系:黄銅(BSW) G=39000 ベリリウム銅(BeCW) G=44000 洋白 G=39000 オイルテンパー G=78500 単位(N/mm2)
ニッケル合金系:インコネル インコネルX モネル Kモネル
恒弾性:Ni−SpanC エリンパー
特殊バネ材:エルジロイ マルエージング
ばね鋼(熱間成形スプリング):SUP-(3 、6、7、9A 、10、11A 、12、13)汎用性が高いのはSUP-9A 熱間成形とは材料を高温に熱してコイリングする大型品製作用の作り方、
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