用語解説 荷重

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圧縮、引っ張る、ねじるという変化を与えた時のばねの強さ 変化量1mmに限定が定数


バネの力

ばねの荷重とは、たわみ量δによってでる力(強さ)のことをいい、単位はN(ニュートン)設計記号はP、設計者からの指示の仕方は以下の様になり指示を受けた際製作者はこれを重視しての製作となり以下の様に参考として良い寸法箇所や公差(許容差)をつけて指示します。もうひとつの力の表し方、1mm当たりの強さの定数とともに大事な要素である為、よく図面に指定が有り、厳しい場合はバラツキが1点で求めるよりも更に少なくなる2点のたわみ量、2点荷重で満足しなければならない厳しいばねもあります。


指定の仕方

  1. ながさ20mmで0.7N±8% 自由長は参考
  2. たかさ15mmで0.5N±10% 巻数は参考
  3. たわみ15mmで0.5N JIS許容差3級以内
  4. 2点での支持例 たかさ15mmで0.5N±10% 25mmで0.9N±10% 巻数、全長は変更可能

1、2、が通常な仕方ですが、3のようにすることもあって、2と3のδは異なってるので注意してください2はδ=自由高-高さ、3はδ=15mmです。参考値としてよい箇所と例のように±の公差を付けて又は、JIS許容差を製作者に指示を出します。JIS日本工業規格許容差についてはこちらを参照ください


安定作動を行う為に

取り付けの際に安定作動を得る為に引張も圧縮もねじりもバネの固定方法として多少でも力が加わってる初期圧が加わった状態で取り付け固定するのが通常で、その時の力をバネの取り付け荷重といい、更に最大の圧縮、引張、ねじりの時を最大荷重と言う。一つだけ指定する時はたわみ量が多い為にこちら2の方が多い。
初期圧、固定方法
押しばねを例として上の図の左の様に初期荷重の掛かって無い全長と同じあるいは隙間がある状態では座屈現象が起き耐久性に影響がでる場合が多い、右のように初期荷重が掛かってる固定方法は安定作動が行える。


かけられる状態で考慮すべきこと

  1. 静的の力が加わる
  2. 繰り返し加わる
  3. 衝撃の加わる

1は、使用で変動のほとんどないか、あるいは繰り返しが生涯で10000回以下でへたりや材料の選択方法を考慮。2は、時間と共に変動して加わるで材料の疲れについて充分考慮。3は、変動速度が非常に大き(早い)く、応力が全体的に釣り合わなくなる程の高速だと破損のおそれがあり注意が必要、引張、圧縮、ねじるから戻るのタイミングが合わずの振動の様な力を受ける場合。


荷重計算式

押しバネ
P=G d4 δ/8 Na D3
引きバネ
P=G d4 δ/8 Na D3+Pi
Pi=Gd4/255 D2
D:コイル平均径 Na:有効巻数 d:線径 δ:たわみ Pi:初張力
G:横弾数係数 材料固有の値 ステンレスは68500、ピアノ(硬鋼)線は78500

もし、製作したバネの実測Pと算出のPが公差内ならば良いですが調整が必要なくらいの違いが出てしまう時には、計算式からも分かるように大きく変更しなければならない場合にはdを、又微調整程度であればD、巻数、Lのいずれか又複数を変更して満足する荷重になるように調整します。他の寸法箇所と違い特にdは0.1mm太くあるいは細く変更してもバネにかなりの強さに違いがでるところです。変更可能な寸法箇所で対応が不可のときは設計者と協議が必要です。荷重は熱処理を行うことで減少が見られるが、材質により違いがありこの減少を見込まない設計は計算値と実測のばね荷重に許容差以上の違いが出てしまう事があります。更に同じ寸法の材料でも仕入れのロットの違いや表面処理を行った場合にも若干の違いが出てしまう事もあります、従って参考値とする箇所や公差が必要になる訳です。


計算で求める方法以外に製作完了後の実計測を行うには、試験機を使って計測をします、これについては測定器具のページに詳しく掲載しています


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